佐賀大学医学部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座

Department of Otolaryngology - Head & Neck Surgery ,
Saga University Faculty of Medicine

教授挨拶

教授挨拶

 耳鼻咽喉科・頭頸部外科は聴覚・平衡覚、嗅覚などの感覚器医学、発声・嚥下障害などに対する機能外科、上気道・一部の下気道を含む呼吸器疾患、頭頸部がんなどに対する頭頸部外科、さらには化学療法などの内科的治療まで含めた幅広い領域を扱う診療科です。音声・嚥下・呼吸などヒトの人たる所以である機能を考慮した治療が求められる挑戦しがいのある、非常に魅力ある領域に我々は取り組んでおります。

 昭和56年開講以来、初代教授の進武幹教授の築かれた嚥下医学ならびに喉頭科学、第2代教授の井之口昭教授が築かれた嗅覚・味覚を中心とする感覚器医学、そして第3代教授の倉富勇一郎教授の築かれた頭頸部癌治療の伝統を引き継ぎ、地域医療の充実に加え、国内外で活躍できる人材育成を目指して参ります。

 臨床に関しては、既に当教室にノウハウの蓄積された頭頸部がんなどの腫瘍性疾患に対する集学的治療に加え、音声障害や嚥下障害に対する機能外科的アプローチ、喉頭狭窄症など気道疾患に対する手術治療、慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎に対する内視鏡手術、慢性中耳炎に対する鼓室形成術など専門性の高い多彩な手術を各スペシャリストが提供できる体制が整っていると確信しております。頭頸部腫瘍を含めた頭頸部外科領域でも、音声・嚥下機能を考慮した治療が今後ますます望まれることは言うまでも有りません。この分野でも極めて専門性の高い医療を目指して参ります。

 基礎・臨床研究、産学連携は医学の発展のために重要です。音声・嚥下に関する基礎的・臨床的研究、頭頸部癌に関する基礎研究や新規治療開発に向けた臨床研究、動物モデルを用いた胃酸逆流による諸症状の病態解明を目指した研究,味覚・嗅覚障害に関する研究など様々な分野の研究に取り組んでいます。

 嚥下研究に関しては、進教授のもと、研究、臨床ともに日本の嚥下医学の創成期にその基礎を築き、第95回日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会宿題報告「嚥下の神経機序とその異常」として発表された内容は現在の嚥下医学の基礎となって受け継がれています。新しい研究手法や機器の進歩に伴い、嚥下医学発展に向けたさらなる研究を行うことが医学の発展だけでなく地域医療の貢献にもつながると考えています。

 人材育成は非常に大切です。手術手技向上のための研修会やハンズオンセミナーなどの開催に加え、佐賀大学でしかできない研究体制の構築やそれらを国内外に発信するための充実した指導体制を整えて参ります。

 以上のように、スペシャリティ溢れる領域で、質の高い医療を皆で目指していきましょう。これから耳鼻咽喉科・頭頸部外科医を目指すあるいはさらなる飛躍を志す皆さんのご連絡をお待ちしています。

教授 杉山庸一郎

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