佐賀大学医学部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座

Department of Otolaryngology - Head & Neck Surgery ,
Saga University Faculty of Medicine

研究紹介


 当教室では開講当初より喉頭の嚥下機能の生理的研究と頭頸部癌の発症および進展機序についての研究を行っており、国内外の学会および雑誌にて発表を続けている。さらに平成11年以降では嗅覚味覚障害や咽喉頭胃酸逆流症に関する臨床および基礎的研究も進めており、着々と成果を上げている。これまで当教室に所属した75名の医局員のうち47名が学位取得をしており、現在も耳鼻咽喉科・頭頸部外科学の研究者育成に注力している。


嚥下制御メカニズムの解明および嚥下障害に関する新規治療開発に向けた研究

超高齢化社会において、嚥下障害への対応は喫緊の課題です。
【食事の楽しみが失われる】、【誤嚥で肺炎を繰り返してしまう】、場合によっては【食事中に窒息する】など嚥下障害は生きていくための楽しみを損なうだけでなく命の危険も生じる非常に重大な問題です。
我々は嚥下障害の予防・改善に立ち向かうために基礎、臨床研究を行っています。
実は、嚥下のメカニズムはまだまだ不明な点が多いのが現状です。それでは嚥下障害の病態や治療を十分に説明することが出来ませんし、新しい治療開発は不可能です。そこで、我々は様々な手法をもちいて『嚥下機能メカニズム』に関する研究を行っています。
嚥下の詳細なメカニズムを探るには嚥下を制御する脳の機能を探る必要があります。そのため、我々は『経動脈的灌流動物モデル』を用いて病態解明あるいは新規治療開発に向けた研究を行っています。このモデルを用いた嚥下研究は、少なくとも耳鼻咽喉科教室では我々のグループでしか行っていない研究です。
のどの感覚刺激がもたらす嚥下への影響、嚥下中枢のニューロン活動や神経ネットワークなど詳細なメカニズム解析、新規化合物の嚥下促通効果など嚥下機能メカニズムに関する様々な実験を行うことが可能です。
その他、新しい電気刺激デバイスを用いた嚥下改善効果の検証や嚥下関連筋再生医療の可能性など様々なテーマで研究を行っています。
嚥下研究に興味のある方は気軽にご相談頂ければ幸甚です。

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国内学会担当(平成5年以降)

  • 第45回日本気管食道科学会(平成5年10月)
  • 第6回日本喉頭科学会(平成6年3月)
  • 第20回日本喉頭科学会(平成20年3月)
  • 第34回日本耳鼻咽喉科学会医事問題セミナー(平成21年6月)
  • 第34回日本喉頭科学会(令和3年3月)
  • 第49回日本嚥下医学会(令和8年2月開催予定)

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